生前整理(せいぜんせいり)
この用語のポイント
- 生前整理とは、元気なうちに自分の持ち物や財産、これからの暮らし方を見直して整えておくことです。
- 亡くなった後に家族が行う「遺品整理」と違い、本人の意思で、残すもの・手放すものを決められます。
- 片付けだけでなく、通帳・保険証券などの書類をまとめ、希望をエンディングノートや遺言書に残すことも含まれます。
- 始める時期に決まりはありません。引き出し1つからでも、思い立ったときが始め時です。
「生前整理」とは?
生前整理とは、自分が元気なうちに、身の回りの持ち物や財産、人間関係、これからの暮らし方を見直して整理しておくことを指す言葉です。
衣類や家具などの片付けだけを指すのではなく、通帳や保険証券といった大切な書類をまとめることや、自分の希望をエンディングノートに書き残すことまで含めて使われます。「終活」の一環として行う方が多く、残りの人生を気持ちよく過ごすための準備という側面もあります。
この言葉が広まった背景には、高齢化があります。内閣府の高齢社会白書によると、日本の65歳以上人口は3,624万人で、総人口に占める割合(高齢化率)は29.3%でした(2024年10月1日現在)。子どもが独立して離れて暮らす家庭も増え、「自分の持ち物を、自分の手で整えておきたい」と考える方が増えています。
一方で、親の家を前にして「どこから手をつければいいのか」と戸惑う子ども世代にとっても、生前整理は他人事ではありません。亡くなった後の片付けは、残された家族に大きな負担がかかるためです。
生前整理と遺品整理の違いは?
生前整理と遺品整理の最も大きな違いは、「誰が」「いつ」行うかです。生前整理は本人が元気なうちに、遺品整理は亡くなった後に家族などが行います。
| 項目 | 生前整理 | 遺品整理 |
|---|---|---|
| 行う人 | 本人(家族や業者が手伝うことも) | 遺族など |
| 行う時期 | 元気なうち | 亡くなった後 |
| 物の判断 | 本人の意思で決められる | 故人の考えが分からないまま家族が決める |
| 目的 | 暮らしを整える、家族の負担を減らす | 故人の持ち物を仕分け、整理する |
| 期限 | 決まりなし(自分のペース) | 賃貸の退去期限や相続税の申告期限などを意識する |
遺品整理では、遺族が「これは残してほしかったのだろうか」「捨ててよいのだろうか」と迷う場面が少なくありません。故人の思い出が詰まった品を前に、手が止まってしまう方も多くいらっしゃいます。
生前整理は、その迷いをあらかじめ減らしておく取り組みです。詳しくは用語集「遺品整理」もあわせてご覧ください。
生前整理では何を整理する?
生前整理で整理するのは、大きく分けて「持ち物」「財産と書類」「気持ちと希望」の3つです。
| 整理するもの | 具体例 |
|---|---|
| 持ち物 | 衣類、家具、食器、趣味の品、写真、思い出の品 |
| 財産と書類 | 通帳、保険証券、不動産の権利書、年金関係の書類、契約書類 |
| 気持ちと希望 | 形見として渡したい物、医療・介護・葬儀の希望、家族へのメッセージ |
持ち物は、「使っている物」「思い出として残したい物」「手放してもよい物」の3つに分けると進めやすくなります。迷う物は無理に決めず、「保留」の箱に入れて、時間を置いてから見直す方法もあります。
財産と書類は、家族が探すのにいちばん苦労するところです。相続税の申告と納税は、相続の開始を知った日の翌日から10か月以内と決まっており(国税庁)、遺族は悲しみの中で、限られた期間に書類を探すことになります。通帳や保険証券の場所が分かるだけで、残された家族の負担は大きく変わります。
気持ちと希望は、エンディングノートに書いておくと家族に伝わります(詳しくはエンディングノートの書き方)。
生前整理はいつから、どう進める?
生前整理に決まった開始時期はなく、思い立ったときが始め時です。一般には、定年退職や子どもの独立、病気や入院、身近な人の介護や相続を経験したことをきっかけに、60代ごろから意識し始める方が多いといわれます。
進め方の一例は次のとおりです。
- 小さな場所から始める(引き出し1つ、クローゼットの一角など)
- 持ち物を「使う」「残す」「手放す」「保留」に分ける
- 通帳・保険証券・権利書などの書類を1か所にまとめる
- 家族と、残したい物や希望について話す
- 希望をエンディングノートに書き、必要に応じて遺言書も検討する
- 自分たちだけで難しい部分は、専門の業者や専門家に相談する
一度に完璧を目指す必要はありません。手が止まってしまう日があっても、それは思い出が大切だからこそです。時期ややり方の詳しい解説は「生前整理はいつやる?やり方は?」に、親御さんに話を切り出すときの考え方は「親が片付けを嫌がるとき」にまとめています。
遺言書との関係は?
生前整理は、遺言書を作ることと同じではありませんが、遺言書は生前整理の一部として検討されることが多い手続きです。
遺言書を自分で書く「自筆証書遺言」には、法務局で預かってもらえる「自筆証書遺言書保管制度」があります。2020年7月10日に始まった制度で、保管の申請には3,900円の手数料がかかります(法務局)。この制度を利用して法務局に保管された遺言書は、家庭裁判所での検認が不要になります。
遺言書の内容や書き方は、相続の状況によって変わります。迷うときは、司法書士・行政書士・弁護士・税理士などの専門家や、お住まいの法務局に確認してください。
(参考:内閣府 令和7年版高齢社会白書、国税庁 No.4205 相続税の申告と納税、法務省 自筆証書遺言書保管制度、札幌法務局 自筆証書遺言書保管制度)
生前整理を業者に頼むのはどんなとき?
自分たちだけでは進められないと感じたときが、業者に相談する目安です。生前整理は本人や家族だけでも行えますが、次のような場面では専門の手が助けになります。
- 施設への入居や、子ども世帯との同居が決まり、期日までに荷物を減らしたい
- 一人暮らしで、重い家具の移動や運び出しを頼める人がいない
- 遠方に住む子どもが、実家の片付けに通い続けるのが難しい
- 物が多く、処分と買取の見分けや分別が負担になっている
業者を選ぶときは、古物商許可などの許可の有無、見積もりの内訳が分かるか、気持ちを急かさずに進めてくれるかを確認しましょう。札幌で選ぶ場合の観点は、札幌の生前整理業者の選び方にまとめています。
生前整理のよくある質問
生前整理は何歳から始めればよいですか?
決まった年齢はありません。60代ごろから意識し始める方が多いといわれますが、体力や判断力に余裕のあるうちに、できる範囲から始めるのが無理のない進め方です。
家族が反対していても、生前整理は進められますか?
進められますが、家族と話をしておくと後のすれ違いを減らせます。「この写真は残してほしい」「この品は誰に渡したい」といった希望を伝えておくだけでも、残された家族にとっては大きな手がかりになります。
思い出の品はどう整理すればよいですか?
無理に決めなくて大丈夫です。迷う品は「保留」の箱に入れ、気持ちが落ち着いてから見直しましょう。写真に撮って手放す、形見として渡す人を決めるなど、残し方はひとつではありません。
生前整理で出た物は、売れることもありますか?
状態や品物によっては、買取の対象になることがあります。カメラ、時計、古銭、オーディオ、工具、骨董品などは、ご本人が気づいていなかった価値が見つかる場合があります。処分する前に、まず査定を受けてみる方法もあります。
生前整理をしたら、遺品整理は不要になりますか?
物が減っていれば遺品整理の負担は軽くなりますが、亡くなった後の家の片付けが全くなくなるとは限りません。生前整理は「家族の負担を減らす準備」と考えるとよいでしょう。
札幌で生前整理を相談するなら
遺品整理 想いては、札幌市を中心に、生前整理のご相談をお受けしています。施設へのご入居、お子様との同居、一人暮らしのお片付け、終活の一環として物を減らしたいなど、さまざまなご事情に対応してきました。個人様・企業様をあわせ、お片づけのお手伝いは年間700件以上です。
当社の「決意の生前整理」密着レポートでは、札幌市にお住まいの方が、不用品のなかから大切な品の買取が見つかり、動線を確保して暮らしやすくなっただけでなく、形見として渡したい品物も決められた様子をご紹介しています。
想いてには、終活カウンセラー・相続診断士・遺品整理士が在籍しています。お買取りできる品物があれば、その分、お片付けの費用を軽減できる場合があります。出張のお見積りは無料です(料金について)。金額は、お部屋の状況や品物によって異なります。
何から手をつければよいか分からないときや、親御さんの片付けについてご相談したいときも、まずは気持ちをお聞かせください。ご希望をうかがったうえで、無理のない進め方を一緒に考えます(生前整理サービスについて)。
この記事の運営者:遺品整理 想いて(ノースジニアス・アール株式会社/札幌市白石区菊水9条2丁目2-38)古物許可番号 第101020001914、一般社団法人 遺品整理士認定協会 第IS09395号。お電話 0120-817-683(10:00〜18:00・年中無休)。法令・制度の内容は2026年10月時点の情報です。